否定的な意見を聞いたり、好ましくない行動を見聞きすると、傷ついたり苛立ったりしがちですが、そうした他人への批判は、自分自身の内面を写し出す鏡に過ぎません。自分がすべきでないことは他人もすべきでない、と潜在的な判断機能が働いてしまうのです。他人への批判は自己否定の裏返しです。否定と愛は共存することができません。
私は、19年間という年月を鬱と共に過ごしました。その経験から、感情には層があり、様々な形で現れることを知りました。つまり、感情はメッセンジャーに過ぎないのです。自分らしく生きるために軌道修正を促す、心の声なのです。感情の訴えがあったからこそ、自分らしく生きるための智慧のみならず、生きることの仕組みについての理解が深まりました。陰と向き合うことで、光のある方へと戻ることができたのです。
愛があるところには光があります。癒しは愛によって行われます。心の声に耳を傾けることができたら、あるがままの自分を受容することができるようになるでしょう。
ヨガ、メディテーション、そして日常生活に、自己理解への探求と、感情の読み解くプラクティスを取り入れることによって、人生が好転する生徒を何人も見てきました。この本を書くことになったきっかけはここにあります。私自身の心の成長過程、ヨガ、メディテーション、自己内省のプラクティスをシェアすることで、読者のみなさんが、ご自身について理解を深め、自分に対する思いやりや愛を育み、それを周りの人々へも広げていくきっかけになれば本望です。